建設業許可を取得するために必要な資格を一覧で徹底解説!

「建設業許可には資格や一定期間の実務経験が必要」このような話を聞いたことがある方も多いことと思います。

それでは、実際にどんな資格があれば、建設業許可を受けることができるのでしょうか。実は、一口に資格といっても、許可を受ける業種によって必要なものが異なってきます。

そこで今回は、建設業に必要な資格について一覧にして解説していきます。資格や実務経験に関しての注意点もまとめていきますので、ご参考にしてください。

建設業許可に必要な資格とは?

建設業許可を受けるには営業所ごとに専任技術者を配置する必要があります。この専任技術者になるには、どのようなハードルがあるでしょうか。

専任技術者になるには実務経験か資格が必要

許可要件の一つである専任技術者になるには、実務経験か資格が必要です。以下のような組み合わせで、要件をクリアする必要があります。

  • 対応する資格
  • 実務経験
  • 資格+実務経験

一般建設業許可か特定建設業許可で必要な資格は異なる

受ける許可が一般建設業許可か特定建設業許可かによって、必要な資格は異なります。

特定建設業許可の専任技術者になれる資格であれば、一般建設業許可の専任技術者になることができます。

また、特定建設業許可の専任技術者になるためには、以下のような要件があります。

  1. 対応する国家資格
  2. 一般建設業許可の要件+指導監督的な実務経験

なお、指定建設業の場合は、実務経験で専任技術者になることはできません。まずは取得したい許可に対応する資格が何なのか、事前に確認する必要があります。

資格によっては実務経験も必要になるので要注意

資格によっては、実務経験が必要になるものもあるため、事前に確認が必要です。例えば、以下のようなものが挙げられます。

  • 職業能力開発促進法に定める技能検定で、等級区分が2級:合格後3年以上の実務経験
    ※平成16年4月1日時点で合格していれば1年以上の実務経験
  • 基幹技能者:10年以上の実務経験

上記以外にも、資格によって実務経験が求められる場合もあります。

また、解体工事業では、資格取得の年によって実務経験か登録解体工事講習の受講が必要になることもあります。

資格を持っていても、専任技術者となるために実務経験が必要でないかについても、あらかじめ確認しておきましょう。

建設業許可に必要な資格一覧

建設業許可において専任技術者になるために必要な資格を一覧にしてご紹介します。

なお、◇で表したものについては、特定建設業許可の専任技術者になり得る資格です。また、技術士試験については部門とともに「」によって科目を記載しています。

土木一式工事

  • 1級建設機械施工技士 ◇
  • 2級建設機械施工技士(第1種〜第6種)
  • 1級土木施工管理技士 ◇
  • 2級土木施工管理技士(土木)
  • 技術士試験 ◇
    • 建設 (「鋼構造及びコンクリート」を除く) ・ 総合技術監理 「建設」(鋼構造及びコンクリートを除く)
    • 建設 「鋼構造及びコンクリート」 ・ 総合技術監理 「建設-鋼構造及びコンクリート」
    • 農業 「農業土木」、「農業農村工学」 ・ 総合技術監理 「農業-農業土木」、「農業-農業農村工学」
    • 水産 「水産土木」 ・ 総合技術監理 「水産-水産土木」
    • 森林 「森林土木」 ・ 総合技術監理 「森林-森林土木」

建築一式工事

  • 1級建築施工管理技士 ◇
  • 2級建築施工管理技士(建築)
  • 1級建築士 ◇
  • 2級建築士

大工工事業

  • 1級建築施工管理技士 ◇
  • 2級建築施工管理技士(躯体 仕上げ)
  • 1級建築士 ◇
  • 2級建築士
  • 木造建築士

左官工事業

  • 1級建築施工管理技士 ◇
  • 2級建築施工管理技士(仕上げ)

とび・土工工事業

  • 1級建設機械施工技士 ◇
  • 2級建設機械施工技士(第1種〜第6種)
  • 1級土木施工管理技士 ◇
  • 2級土木施工管理技士(土木 薬液注入)
  • 1級建築施工管理技士 ◇
  • 2旧建築施工管理技士(躯体)
  • 技術士試験 ◇
    • 建設 (「鋼構造及びコンクリート」を除く) ・ 総合技術監理 「建設」(鋼構造及びコンクリートを除く)
    • 建設 「鋼構造及びコンクリート」 ・ 総合技術監理 「建設-鋼構造及びコンクリート」
    • 農業 「農業土木」、「農業農村工学」 ・ 総合技術監理 「農業-農業土木」、「農業-農業農村工学」
    • 水産 「水産土木」 ・ 総合技術監理 「水産-水産土木」
    • 森林 「森林土木」 ・ 総合技術監理 「森林-森林土木」

石工事業

  • 1級土木施工管理技士 ◇
  • 2級土木施工管理技士(土木)
  • 1級建築施工管理技士 ◇
  • 2級建築施工管理技士(仕上げ)

屋根工事業

  • 1級建築施工管理技士 ◇
  • 2級建築施工管理技士(仕上げ)
  • 1級建築士 ◇
  • 2級建築士

電気工事業

  • 1級電気工事施工管理技士 ◇
  • 2級電気工事施工管理技士
  • 第1種電気工事士
  • 第2種電気工事士(3年の実務経験が必要)
  • 電気主任技術者(第1種〜第3種)(5年の実務経験が必要)
  • 技術士試験 ◇
    • 建設 (「鋼構造及びコンクリート」を除く) ・ 総合技術監理 「建設」(鋼構造及びコンクリートを除く)
    • 建設 「鋼構造及びコンクリート」 ・ 総合技術監理 「建設-鋼構造及びコンクリート」
    • 電気電子 ・ 総合技術監理 「電気電子」

管工事業

  • 1級管工事施工管理技士 ◇
  • 2級管工事施工管理技士
  • 給水装置工事主任技術者(1年の実務経験が必要)
  • 技術士試験 ◇
    • 機械 「流体工学」「流体機器」「熱工学」「熱・動力エネルギー機器」 ・ 総合技術監 理 「機械」(流体工学,流体機器,熱工学,熱・動力エネルギー機器)
    • 上下水道 (「上水道及び工業用水道」を除く) ・ 総合技術監理 「上下水道」(上水道及び工業用水道を除く)
    • 上下水道 「上水道及び工業用水道」 ・ 総合技術監理 「上下水道-上水道及び工業用水道」
    • 衛生工学(「水質管理」「廃棄物管理」を除く) ・ 総合技術監理 「衛生工学」(水質管理,廃棄物管理を除く)
    • 衛生工学 「水質管理」 ・ 総合技術監理 「衛生工学-水質管理」
    • 衛生工学 「廃棄物管理」「廃棄物・資源循環」 ・ 総合技術監理 「衛生工学-廃棄物管理」「衛生工学-廃棄物・資源循環」

タイル・れんが・ブロック工事業

  • 1級建築施工管理技士 ◇
  • 2旧建築施工管理技士(躯体 仕上げ)
  • 1級建築士 ◇
  • 2級建築士

鋼構造物工事業

  • 1級土木施工管理技士 ◇
  • 2級土木施工管理技士(躯体)
  • 1級建築士 ◇
  • 技術士試験 ◇
    • 建設 「鋼構造及びコンクリート」 ・ 総合技術監理 「建設-鋼構造及びコンクリート」

鉄筋工事業

  • 1級建築施工管理技士 ◇
  • 2級建築施工管理技士(躯体)

舗装工事業

  • 1建設機械施工技士 ◇
  • 2級建設機械施工管理技士(第1種〜第6種)
  • 1級土木施工管理技士 ◇
  • 2級土木施工管理技士(土木)
  • 技術士試験 ◇
    • 建設 (「鋼構造及びコンクリート」を除く) ・ 総合技術監理 「建設」(鋼構造及びコンクリートを除く)
    • 建設 「鋼構造及びコンクリート」 ・ 総合技術監理 「建設-鋼構造及びコンクリート」

しゅんせつ工事業

  • 1級土木施工管理技士 ◇
  • 2級土木施工管理技士(土木)
  • 技術士試験 ◇
    • 建設 (「鋼構造及びコンクリート」を除く) ・ 総合技術監理 「建設」(鋼構造及びコンクリートを除く)
    • 建設 「鋼構造及びコンクリート」 ・ 総合技術監理 「建設-鋼構造及びコンクリート」
    • 水産 「水産土木」 ・ 総合技術監理 「水産-水産土木」

板金工事業

  • 1級建築施工管理技士 ◇
  • 2級建築施工管理技士(仕上げ)

ガラス工事業

  • 1級建築施工管理技士 ◇
  • 2級建築施工管理技士(仕上げ)

塗装工事業

  • 1級土木施工管理技士 ◇
  • 2級土木施工管理技士(鋼構造物塗装)
  • 1級建築施工管理技士 ◇
  • 2級建築施工管理技士(仕上げ)

防水工事業

  • 1級建築施工管理技士 ◇
  • 2級建築施工管理技士(仕上げ)

内装仕上工事業

  • 1級建築施工管理技士 ◇
  • 2級建築施工管理技士(仕上げ)
  • 1級建築士 ◇
  • 2級建築士

機械器具設置工事業

  • 技術士試験 ◇
    • 機械 (「流体工学」「流体機器」「熱工学」「熱・動力エネルギー機器」を除く) ・ 総合技術 監理 「機械」(流体工学,流体機器,熱工学,熱・動力エネルギー機器を除く)
    • 機械 「流体工学」「流体機器」「熱工学」「熱・動力エネルギー機器」 ・ 総合技術監理 「機械」(流体工学,流体機器,熱工学,熱・動力エネルギー機器)

熱絶縁工事業

  • 1級建築施工管理技士 ◇
  • 2級建築施工管理技士(仕上げ)

電気通信工事業

  • 1級電気通信工事施工管理技士 ◇
  • 2級電気通信工事施工管理技士
  • 電気通信主任技術者(5年の実務経験が必要)
  • 工事担任者資格者証(第一級アナログ通信及び第一級デジタル通信の両方)の交付を受けた者(資格者証交付後3年の実務経験が必要)
    ※令和3年4月1日以降に工事担任者試験に合格した者、養成課程を修了した者、総務大臣の認定を受けた者に限る
  • 工事担任者資格証(総合通信)の交付を受けた者(資格者証交付後3年の実務経験が必要)
    ※令和3年4月1日以降に工事担任者試験に合格した者、養成課程を修了した者、総務大臣の認定を受けた者に限る
  • 技術士試験 ◇
    • 電気電子 ・ 総合技術監理 「電気電子」

造園工事業

  • 1級造園施工管理技士 ◇
  • 2級造園施工管理技士
  • 技術士試験 ◇
    • 建設 (「鋼構造及びコンクリート」を除く) ・ 総合技術監理 「建設」(鋼構造及びコンクリートを除く)
    • 建設 「鋼構造及びコンクリート」 ・ 総合技術監理 「建設-鋼構造及びコンクリート」
    • 森林 「林業」「林業・林産」 ・ 総合技術監理 「森林-林業」「森林-林業・林産」
    • 森林 「森林土木」 ・ 総合技術監理 「森林-森林土木」

さく井工事業

  • 技術士試験 ◇
    • 上下水道 「上水道及び工業用水道」 ・ 総合技術監理 「上下水道-上水道及び工業用水道」

建具工事業

  • 1級建築施工管理技士 ◇
  • 2級建築施工管理技士(仕上げ)

水道施設工事業

  • 1級土木施工管理技士 ◇
  • 2級土木施工管理技士(土木)
  • 技術士試験 ◇
    • 上下水道 (「上水道及び工業用水道」を除く) ・ 総合技術監理 「上下水道」(上水道及び工業用水道を除く)
    • 上下水道 「上水道及び工業用水道」 ・ 総合技術監理 「上下水道-上水道及び工業用水道」
    • 衛生工学 「水質管理」 ・ 総合技術監理 「衛生工学-水質管理」
    • 衛生工学 「廃棄物管理」「廃棄物・資源循環」 ・ 総合技術監理 「衛生工学-廃棄物管理」「衛生工学-廃棄物・資源循環」

消防施設工事業

  • 甲種消防設備士
  • 乙種消防設備士

清掃施設工事業

  • 技術士試験 ◇
    • 衛生工学 「廃棄物管理」「廃棄物・資源循環」 ・ 総合技術監理 「衛生工学-廃棄物管理」「衛生工学-廃棄物・資源循環」

解体工事業

解体工事業については、資格に加えて実務経験などが必要になる場合があります。具体的には、平成27年までの合格者について、以下のいずれかが必要です。

  1. 1年以上の実務経験
  2. 登録解体工事講習の受講

資格試験に合格した時期によって実務経験や講習の受講が必要になるため、注意しておきましょう。

  • 1級土木施工管理技士 ◇
  • 2級土木施工管理技士(土木)
  • 1級建築施工管理技士 ◇
  • 2級建築施工管理技士(建築 躯体)
  • 技術士試験 ◇
    • 建設 (「鋼構造及びコンクリート」を除く) ・ 総合技術監理 「建設」(鋼構造及びコンクリートを除く)
    • 建設 「鋼構造及びコンクリート」 ・ 総合技術監理 「建設-鋼構造及びコンクリート」

建設業許可の資格一覧まとめ

建設業許可で専任技術者になるための資格を一覧にして解説してきました。

建設業許可を受ける場合には、以上のような資格、もしくは実務経験を持った技術者が必要です。

資格によっては実務経験や講習の受講が必要だったり、一般建設業許可か特定建設業許可によっても違いがあるので、あらかじめ確認しておきましょう。

また、建設業専門の行政書士であれば、必要な資格についての知識も豊富です。

「今持っている資格で建設業許可は受けられるのか?」

「実務経験がこれだけあるけど、要件はクリアしている?」

以上のような疑問があれば、専門家に一度相談してみることをおすすめします。

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