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無許可(建設業許可を取得せず)で建設業を営むとどうなる?

「建設業を無許可で営業するとどうなる?罰則はある?」「無許可でも行える工事はどんなものがある?」

建設業許可に関して、以上のような疑問をお持ちの方もおられると思います。

建設業では一定の工事を除き、許可が必要になります。無許可営業は罰則の対象になるだけでなく、実はその他のデメリットもあるのです。

そこで本記事では、建設業を無許可で営業するとどうなるかについて解説していきます。無許可でも行える工事や罰則・デメリットについても確認していきましょう。

建設業を無許可で営業するとどうなる?

建設業は工事の適正な施工を確保するため、発注者保護のために許可制がとられています。建設業を無許可で営業した場合、許可がなくとも行える工事のみを行っていた場合を除き違法になります。

建設業許可が必要な工事と不要な工事

建設工事には、建設業許可が必要な工事と建設業許可が不要な工事があります。

建設業許可が必要な工事

一定額以上の請負金額の工事を受注する場合には、建設業許可が必要になります。具体的な額は下表をご確認ください。

建設業許可が不要な工事

軽微な工事は建設業許可を受けていない場合でも行なえます。

無許可でも行える軽微な工事とは

建設業において、無許可でも行える工事は軽微な工事と呼ばれています。軽微な工事とは、業種によってそれぞれ以下のようなものを指します。

業種 工事の内容
建築一式工事以外 請負金額が税込500万円未満の工事
建築一式工事 請負金額が税込1500万円未満の工事
又は延べ面積150㎡未満の木造住宅の工事

建築一式工事とは、総合的な企画、指導、調整のもとに建築物を建設する工事のことです。例えば住宅を建築する際の電気工事や管工事のみを請け負う場合は、上の表で言えば「建築一式工事以外」に該当します。

軽微な工事であるか否かの判断はその工事の請負金額や工事の内容によるという点に注意しておきましょう。

建設業の無許可営業の罰則とは

建設業を無許可のまま営業し、軽微な工事以外の工事を行ってしまった場合、以下のような罰則があります。

  • 営業停止処分
  • 3年以下の懲役または300万円以下の罰金
  • 1億円以下の罰金(法人の場合)
  • 建設業許可を5年間受けられなくなる

無許可営業はその営業が停止されるだけでなく、懲役や罰金が課されてしまいます。

また、建設業許可の要件の一つに「欠格要件に該当しないこと」というものがあります。建設業法に違反して上記のような刑が課されてしまうと、この欠格要件に該当してしまうことになるのです。結果として、その後5年間は建設業許可をうけることができなくなってしまいます。

法律に違反して無許可で営業を続けた場合、重いペナルティが課されることがおわかりいただけたかと思います。

建設業の無許可営業のデメリット

建設業を無許可で営業するにあたり、以下のようなデメリットも無視できません。

  • 軽微な工事しか請け負うことができない
  • 公共工事の入札参加ができない
  • 建設業者としての信用度が低くなる可能性がある
  • 下請業者として現場に入ることができない可能性がある

「自社は軽微な工事しか行わない予定だから大丈夫」という場合でも、無許可のまま営業を続けていればデメリットがあるかもしれません。以下に一つずつ、どのような不利益があるかについて解説していきます。

軽微な工事しか請け負うことができない

建設業について無許可のまま営業していると、軽微な工事しか請け負うことができません。

軽微な工事とは、先に解説したように一定未満の請負金額で行われる小規模な工事です。急に「軽微な工事以外の工事を請け負いたい」という状況になったとしても、許可がなければ建設業法に違反し、懲役や罰金の対象となってしまいます。

しかし、建設業許可を新規に取得する際には、要件の確認や書類の作成・準備によって、どうしても時間がかかります。

必要になった時、直前で急いで許可を取得するというのは難しいことに注意しておきましょう。

公共工事の入札参加ができない

無許可営業では、原則として国や地方公共団体が発注する工事の入札に参加することができません。

公共工事を請け負うためにはそれぞれの機関や自治体が行う入札に参加する必要があります。さらに、この公共工事の入札に参加するためには原則、経営事項審査(経審)を受けていなければなりません。

ただし、経審は建設業許可を受けていなければ受審することはできません。つまり、公共工事の入札参加には、前提として建設業許可が必要であり、無許可のままでは参加はできないことになります。

建設事業者としての信用度が低くなる可能性あり

無許可営業では建設事業者としての信用度が低くなってしまう可能性があることも、デメリットと言えるでしょう。

建設業許可を受けるためには、以下のような許可要件をクリアする必要があります。

  • 経営業務の管理責任者等の設置
  • 専任技術者の設置
  • 誠実性
  • 財産的基礎等
  • 欠格要件に該当しないこと

言い換えれば、建設業許可を取得している事業者は、以上のような要件をクリアしていることが公的に認められているということになります。

技術力や経営能力、財産面についての一定の要件をクリアしていることから、許可を受けた事業者の方が信用度は高いと考えられるケースがあります。

融資を受ける際にも建設業許可を取得していた方が有利であると言われています。

下請業者として現場に入ることができない可能性がある

無許可営業の場合、下請業者として現場に入ることができないケースもあります。

最近では、たとえ軽微な工事にあたるものでも、元請業者が下請業者に対して建設業許可取得を求める場合もあるようです。

また、元請業者が発注先の条件として許可の取得を条件にしていることもあります。無許可営業では取引先が限定されてしまうこともあり、大きなデメリットがあると言えるでしょう。

業種ごとに許可を受けなければならない

許可を取得する際に気を付けなければならないのが、業種ごとに許可を受ける必要があるということです。

建設業法では29の工事業種が掲げられており、許可はその業種ごとに受けなければなりません。

例えば、管工事の許可のみを取得したとしても、電気工事や塗装工事等の業種については、依然として無許可の状態のままです。この場合は、管工事以外の工事業種については軽微な工事しか請け負うことができません。

許可を取得する場合は、自社が行う工事や行う可能性のある工事に対応した業種の許可を受ける必要があります。許可の取得に動く際には、自社にとって必要な業種を見極めなければならない点に注意しましょう。

まとめ

建設業を無許可で営業した場合の罰則やデメリットについて解説してきました。まとめると以下のようになります。

  • 軽微な工事以外を無許可で行った場合、営業停止処分や懲役・罰金の対象となる
  • 軽微な工事であるか否かは請負金額や工事の内容によって判断される
  • 無許可営業の場合はデメリットも多数ある
  • 許可取得の場合は業種にも注意が必要

軽微な工事を除き、基本的に建設業の営業では許可が必要になります。また、ここまで解説してきたように、無許可営業の場合のデメリットも無視できません。

建設業許可取得のためにはいくつかの要件をクリアする必要がありますが、だからこそ得られる信用もあります。

許可取得に関して検討する際は、一度専門の行政書士に相談をするのがおすすめです。

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