公共工事入札制度について流れや必要な資格、準備を解説!

「公共工事を請け負いたいが、入札の流れがわからない」「入札制度のポイントや参加するための必要な条件は?」

以上のような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。公共工事を元請業者として行うためには、入札を経る必要があります。

そこで今回は、公共工事の入札の流れについて解説していきます。入札に参加するために必要な条件やポイントとともに、詳しく確認していましょう。

公共工事の入札とは

入札とは、官公庁や地方公共団体が民間の会社と契約をする際、契約する相手方となる民間事業者を選ぶ方法です。

価格やその他の基準で公平に相手方を選ぶための方法で、代表的なものには一般競争入札と指名競争入札の2種類があります。

  • 一般競争入札:参加資格を有するすべての民間業者が参加可能な入札
  • 指名競争入札:指名競争入札:入札に参加できる民間事業者があらかじめ指名される入札。実績のある事業者が指名される場合が多い

国や地方自治体が発注者となる公共工事を請け負う場合も、以上のような入札に参加する必要があります。

公共工事の市場規模

公共工事の市場規模は、正確な数値は公表されていないものの、約23兆円と言われています。

公共工事の入札に参加するために必要な資格・要件

公共工事の入札に参加するために、前提として以下の事を済ませておかなければなりません。

  • 建設業許可の取得
  • 経営事項審査(経審)の受審

それぞれどのようなものか、なぜ必要になるのかについて、詳しく見ていきましょう。

建設業許可を取得する

公共工事の入札に参加するためには、建設業許可を取得している必要があります。

建設業許可は500万円以上の工事を行うために必要になるものです。言い換えれば、500万円未満の工事であれば建設業許可は必要ありません。

しかし、公共工事の入札に参加する場合、原則として経営事項審査(経審)を受けなければなりません。この経営事項審査を受けるためには建設業許可を取得していることが必須となります。

以上より、公共工事の入札に参加する前提として、まずは建設業許可の取得が必要です。建設業許可の取得のためには、書類を準備したり要件を確認したりと、どうしても時間がかかります。公共工事の入札を見据えて許可取得をする際は、早めの準備が肝心です。

経営事項審査(経審)を受ける

公共工事の入札に参加するためには、経営事項審査(経審)を受けることも必要になります。

経審とは、建設事業者の技術力や経営状況などに評価点数をつけるものです。国や地方自治体は、この評価点数をもとに事業者を選別したり、ランク分けをします。公共工事の契約の相手方を選ぶ際、指標になるものと言えるでしょう。

経審についても、結果が出るまでに時間がかかります。もしも参加したい入札案件があったり、希望する自治体が明確な場合は、手続きに必要な時間を逆算して、早めに準備するようにしましょう。

欠格要件に当てはまらない

欠格要件に該当すると、公共工事の入札には参加できません。全国一律ではありませんが、主な欠格要件は以下のようなものがあります。

  • 破産者で復権を得ない者、成年被後見人
  • 被保佐人であって、契約締結のために必要な同意を得ていない者
  • 営業の許可を受けていない未成年者であって、契約締結のために必要な同意を得ていない者
  • 公正な競争の執行を妨げた者又は公正な価格を害し若しくは不正な利益を得るために連合した者
  • 落札者が契約を結ぶこと又は契約を履行することを妨げた者
  • 監督又は検査の実施に当たり職員の執行を妨げた者
  • 経営状況が著しく不健全であると認めれれる者
  • 入札参加資格審査申請について虚偽の申請をし、又は重要な事実について記載しなかった者

各種税金に滞納・未納がない

公共工事はすべて税金により賄われ、発注されることになりますので、何らかの特殊な事情で税金の支払いを免除、猶予等されている場合を除いて、各種の税金等を完納していることが前提となります。

公共工事入札までの流れ

公共工事入札に参加するための一連の流れは、以下のようになります。

  1. 入札参加資格申請をする
  2. 自社に合った案件を見つける
  3. 入札説明会に参加する
  4. 入札に必要な書類を揃える
  5. 入札価格を決定する
  6. 落札・契約

これらについても、順番に一つずつ確認していきましょう。

入札参加資格申請をする

まずは希望する国の機関や地方自治体、その他の団体等に入札参加資格申請をする必要があります。

事業者登録や指名願など呼び方は様々ですが、名前のとおり「入札に参加するための資格」を得るための申請です。

国の機関や地方自治体ごとに受付を行っており、以下のような申請に関する方法等も、申請先により大きく異なります。

  • 申請方法
  • 受付時期・受付期間
  • 申請要件
  • 資格の有効期間
  • 必要書類

特に気を付けたいのが、受付時期・受付期間です。

中には随時受け付けている機関や自治体もありますが、1年や2年に一度しか受け付けていない自治体も数多くあります。申請時期を逃すとその後の入札に参加できないため、注意しましょう。

また、目当ての入札案件がある場合は、それに間に合うように入札参加資格申請をする必要があります。入札に参加したい自治体や国の機関について、常にホームページなどで情報を集めるようにしましょう。

自社に合った案件を見つける

入札参加資格申請を行ったら、自社に合った入札案件を見つけます。

入札案件は、国や地方公共団体が公告として情報発信をしています。以下の方法によって、案件に関する情報収集を行いましょう。

  • 参加したい行政機関のホームページをチェックする
  • 入札情報サイトを利用して案件を探す

入札情報サイトは費用がかかりますが、もれなく探すことができるといったメリットもある方法です。

また、自社に合った案件を見つけるうえで重要なのが、自社が必要な許可を取得しているか、工事を行える場所か等を確認しておくことです。以上を踏まえて、自社に合った入札案件を探しましょう。

入札説明会に参加する

参加したい入札案件を見つけたら、入札説明会に参加して情報を収集します。

入札説明会とは、文字通り入札案件の説明が行われる場です。入札関係資料が配布されたり、そもそも説明会への参加が入札参加の要件になっている場合もあります。入札に関する情報収集の場として、重要なものであると言えるでしょう。

適切な入札価格を決定するためにも、情報収集は必須です。入札説明会に参加し、案件に関する疑問点や不透明な部分は解消しておきましょう。

入札に必要な書類を揃える

入札に参加するためには揃えるべき書類もあり、準備が必要です。必要な書類は行政機関・入札案件によっても異なります。

ここでも入札案件に関する情報を事前に集めたうえで、何が必要かを確認しておくことが重要です。

入札価格を決定する

これまでに収集した情報をもとに、入札価格を決定します。

単純に価格を低く、安くすれば良いということにはなりません。最低制限価格といって、一定の金額未満で入札すると失格になるというラインが設定されているからです。加えて、この最低制限価格がいくらであるかは、後悔されないのが一般的となっています。

また、価格を低くしすぎると、もし落札ができても利益がでないということに繋がります。ここで重要なのは、正確な見積もりを作成し、適正な入札価格を決定することです。

落札・契約

入札価格や、場合によってそれ以外の技術力や地域貢献などをもとに落札者が決定されます。落札ができたら、その後は発注者である国や地方自治体と契約をすることになります。

公共工事入札のポイント

公共工事の入札に参加し、落札するためのポイントとしては、以下の2つが挙げられます。

  • 入札仕様書への質問
  • 適正な入札価格の決定

それぞれどのようなことか、詳しく解説していきます。

入札仕様書に質問をする

入札仕様書に質問をし、案件に対する疑問点を解消しておくことが重要なポイントの一つです。

入札仕様書は、国や地方自治体の契約担当者が作成する、入札案件について詳細が記載された書類です。情報収集のためには欠かせない書類と言えるでしょう。

この書類の中で、わかりにくい部分やあいまいな部分については、積極的に質問をし、疑問を解消しておきます。

こうしてできるだけ確実で詳細な情報を収集することで、後に適切な入札価格の決定ができます。

質問はメールやファックス等により行うことができますが、質問ができる時期・期限はあらかじめ定められているため注意しましょう。

適正な入札価格を決定する

適正な入札価格を決定することも、重要なポイントと言えるでしょう。

入札価格は安すぎれば最低制限価格を下回って失格になりますし、もちろん高すぎれば落札はできません。安すぎても高すぎてもダメなのが、入札価格です。

入札説明会への参加や、国や自治体の後悔している資料等で情報収集を欠かさず、「勝てる」入札価格を決定することが重要になります。

まとめ

公共工事の入札について、その流れやポイントについて解説してきました。まとめると、以下のようになります。

  • 入札は公共工事を請け負う場合に必要になる
  • 建設業許可と経営事項審査は公共工事の入札に参加するうえで原則必須
  • 入札では情報収集が重要になる

入札に参加するための要件さえ満たしていれば、参加自体は誰でもすることができます。

一方で、建設業許可の取得や経営事項審査の受審、入札参加資格申請といった、要件をクリアするための手続きは数多くあるのも事実です。

公共工事の入札に参加することをご希望であれば、以上のような手続きについて、早めに準備するようにしましょう。

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