建設業許可をお持ちの場合に、ある一定の変更が生じた場合には各行政官庁に一定の期日以内に変更届を提出する必要があります。今回は役員に関する変更について、どのような変更が生じた場合に、いつまでに変更届を提出すればよいのか詳しく説明していこうと思います。
建設業許可における役員の範囲
最初に、建設業許可における役員の範囲について説明します。
いくつか代表的な例を挙げますと、代表取締役・取締役、また、5%以上株主(出資者)や顧問、相談役等についても変更届が必要となります。一方、執行役員・監査役・会計参与・監事・事務局長の変更については届出が不要です。
なお、上記役員の範囲につきましては、あくまでも建設業許可における役員の範囲なのでその他の許認可(宅建業等)については役員の範囲が異なる場合がある為、注意して下さい。
建設業許可における役員に関する変更届が必要な場合
つぎに、役員に関する変更届が必要な場合について説明します。
変更といっても役員の就退任から住所の変更まで様々な変更がありますが、建設業許可において変更届が必要になる場合を見ていきましょう。
- 役員の就任・削除
- 5%以上の株主の就任・削除
- 代表者の変更
- 役員の氏名変更
上記のケースに当てはまる場合、30日以内に許可行政庁へ変更届を提出しなければなりません。
変更届の提出を怠っていると、建設業許可の更新を受けられないので注意してください。
役員変更による変更届が必要かどうかわからない、提出書類に不安がある方は建設業特化の行政書士ファーストグループへお気軽にご相談下さい。
役員の就任・削除
役員等が就任した場合です。役員に関しては基本的に会社の登記簿謄本に載ってくるので、登記簿謄本の変更を事前に完了しておく必要があります。
また役員等が就任した場合には、申請書と併せて「登記されていないことの証明書」や「身分証明書」を提出する必要があります。証明書には有効期限(概ね、発行から3カ月以内)もあるので注意が必要です。退任の場合は各種の証明書の添付は不要です。
5%以上の株主の就任・削除
5%以上の株式を保有する株主に新たに該当する者があった場合、または該当しなくなった場合です。
株主に新たに該当する場合でも、役員と違って各種証明書等の添付は必要ありません。「株主(出資者)調書(様式第14号)」等を添付して変更届を提出することになります。該当しなくなった場合にも、当然証明書等の添付は不要です。
代表者の変更
続いては、代表者の変更です。代表者の変更は会社にとっても大きな出来事のため変更届が必要ということは漠然とお分かりいただけるかと思います。後ほど、詳しく解説しますが、代表者の方が常勤役員等*経営業務管理責任者)や専任技術者の場合には必要書類や申請期限含め大きく異なります。
なお、ここでの代表者の変更とは「代表者の方」の変更であり、「代表者の住所変更」や「代表者の氏名変更」等は含んでいない点にご注意下さい。
役員の氏名変更
次に役員の氏名変更についてです。建設業許可において、すでに登録されている役員の方が氏名変更を行った場合です。なお、氏名変更が登記簿謄本等で確認できない場合には、例外的に住民票等を提出する場合があります。
少し余談になりますが、法人の建設業許可の手続きにおいて住民票を使う機会はほぼ無くなりましたが、このようにごく稀に住民票を使う場合もあります。
建設業許可における役員が就任した場合
続いて、役員が就任した場合の具体的な手続きの内容について見ていきましょう。
役員が就任した場合の変更届出に必要な書類
役員が就任した場合の変更届に必要な書類の一覧です。なお、下記書類で証明できない場合には別途確認資料等を求められる場合もあります。
必要書類一覧
- 変更届出書(第一面)
- 役員等の一覧表
- 誓約書
- 別とじ表紙
- 許可申請者の住所、生年月日等に関する調書
- 登記事項証明書(履歴事項証明書等)
- 「登記されていないことの証明書」*
- 「身分証明書」*
- 役員等氏名一覧表
*「登記されていないことの証明書」と「身分証明書」につきましては、発行日から3カ月以内が有効期限の為、取得するタイミングにご注意下さい。
変更日から届出を出すまでの期限
役員が就任した場合の変更届の提出期限ですが、変更日から30日以内の提出となります。上記の期間の考え方が変更届において基本となる為、頭の片隅に置いておいて下さい。
なお、変更となる役員が常勤役員等(経営業務管理責任者)や専任技術者であった場合は提出期限が異なります。後ほど詳しく解説します。
建設業許可における役員が辞任・退任した場合
先ほどは役員が就任した場合でしたが、次は役員が辞任・退任した場合についてです。先ほども少し説明しましたが、辞任・退任の変更届の場合には就任の変更届と比べて必要書類が少なくなります。以下、必要書類を詳しく見ていきましょう。
役員が辞任・退任した場合の変更届出に必要な書類
必要書類一覧
- 変更届出書(第一面)
- 役員等の一覧表
- 別とじ表紙
- 登記事項証明書(履歴事項証明書等)
上記のように、退任・辞任する役員については個別の証明書を要さず履歴事項全部証明書で退任・辞任していることを確認します。
変更日から届出を出すまでの期限
役員が退任・辞任した場合の変更届の提出期限は、先ほどの役員就任の変更届と同様で「変更日から30日以内」の提出となります。
建設業許可における役員が氏名変更した場合
次に、役員が氏名変更をした場合です。役員の就任・退任と異なり氏名変更については変更届を提出するという認識がなかった方もいらっしゃるのではないでしょうか。それでは、役員が氏名変更をした場合の変更届について解説していきます。
役員が氏名変更した場合の変更届出に必要な書類
まずは、役員の氏名変更に関わる必要書類の一覧です。
必要書類一覧
- 変更届出書(第一面)
- 役員等の一覧表
- 別とじ表紙
- 登記事項証明書(履歴事項証明書等)
変更日から届出を出すまでの期限
役員の氏名変更に関わる変更届に関しても、提出期限は変更日から30日以内となっています。必要書類も比較的簡単に取得できるものなので、変更届を提出することを失念しないことが大切です。
その他、変更時の注意点
上記の役員に関する変更届を踏まえて、ご注意いただきたい点を最後にまとめたいと思います。
変更した役員が代表者であった場合
変更のある役員が代表取締役であった場合の注意点です。既存の役員が代表取締役になる場合には必要書類等は役員の変更より少なく単純なのですが、新たに役員に就任し、かつ、同時に代表取締役に就任する場合には「代表取締役の変更届」と併せて「役員の変更届」もする届出する必要があるため注意が必要です。
変更した役員が常勤役員等・専任技術者であった場合
この記事で、解説してきました役員に関する各変更届ですが、変更の対象となっている役員が「常勤役員等・専任技術者」であった場合には特に提出期限に注意が必要です。
今までは、変更日から30日以内の提出期限だったかと思います。しかし、変更のある役員が「常勤役員等・専任技術者」であった場合には変更日から2週間以内の提出期限となります。証明書類等を集めることも考えますと2週間の期限は大変タイトとなっているため注意して下さい。
まとめ
変更届は軽く捉えられがちですが、必要書類や提出期限も明確に決まっており、変更届の提出を怠っていると建設業許可の更新を受けることが出来ません。ただ、意図せず変更届を提出できていない場合もあります。変更届が必要かなと疑問を持たれた時には行政書士にご相談することをおすすめ致します。