建設業許可申請の流れを徹底解説!

「建設業許可の申請のために、何から手を付けていいかわからない」「許可を取得するまでがどのような流れを知りたい」という方は少なくないのでしょうか。

そのような方のために、今回は許可申請の流れについて解説していきます。

まず、許可申請の流れは、以下のとおりです。

  1. 取得する許可の種類を決める
  2. 建設業許可取得の要件を確認する
  3. 許可申請のための書類を作成・収集する
  4. 許可行政庁に申請をして審査をうける
  5. 建設業許可通知書を受けて申請完了

これらの一つ一つについて、詳しく見ていきましょう。

取得する許可の種類を決める

まずはじめに、取得する許可の種類を決める必要があります。

一口に建設業許可といっても、以下のようにいくつかの種類に分かれています。

  • 知事許可か大臣許可か
  • 一般建設業許可か特定建設業許可か
  • 建設業の種類(業種)が29種

取得の前に、自社に最適な許可は何かを考えておきましょう

 

当事務所は建設業許可に特化した事務所です。
どの種類の建設業許可が自社に最適か分からない等のお悩みをお持ちの方は
一度ご相談下さい。

営業所の所在地によって知事許可か大臣許可か決まる

知事許可か大臣許可かは、営業所の所在地によって決めることになります。

もし営業所が1つの都道府県にのみ存在している場合は、知事許可になります。

一方で、2つ以上の都道府県に営業所がまたがって存在している場合は、大臣許可を取得することになります。

表にまとめると、以下のとおりです。

許可の種類 営業所の所在地 申請先
知事許可 1つの都道府県にのみ存在 各都道府県知事
大臣許可 複数の都道府県にまたがって存在 国土交通大臣

取得する許可によって申請先も異なる点に、注意が必要です。

請負う工事の規模によって一般建設業か特定建設業かを決まる

一般建設業許可と特定建設業許可は、請負う工事の規模によって決めることになります。

特定建設業許可は、工事の一部を下請けに出す場合で、かつその契約金額が4,000万円以上(建築一式なら6,000万円以上)になる場合に必要な許可です。

つまり、大規模な工事を元請業者として受注する予定があるのであれば、特定建設業許可を取得することになります。

以上に当てはまらない場合は、一般建設業許可でOKです。

許可の要件について細かい部分が変わってくるため、注意しておきましょう。

請負う工事の種類によって業種を決める

請負う工事の種類によって、必要な業種は異なります。

業種は全部で29種あり、以下のとおりです。

  • 土木一式工事
  • 建築一式工事
  • 大工工事
  • 左官工事
  • とび・土工・コンクリート工事
  • 石工事
  • 屋根工事
  • 電気工事
  • 管工事
  • タイル・れんが・ブロック工事
  • 鋼構造物工事
  • 鉄筋工事
  • 舗装工事
  • しゅんせつ工事
  • 板金工事
  • ガラス工事
  • 塗装工事
  • 防水工事
  • 内装仕上工事
  • 機械器具設置工事
  • 熱絶縁工事
  • 電気通信工事
  • 造園工事
  • さく井工事
  • 建具工事
  • 水道施設工事
  • 消防施設工事
  • 清掃施設工事
  • 解体工事

例えば左官工事業の許可しか取得していないにも関わらず、500万円以上(許可が必要な)配管工事を請負うことはできません。そのため、自社がどのような工事を受注するのかによって、この業種を選ぶ必要があります。

要件を満たすことで複数業種の許可を取得することも可能なので、まずは自社に必要な許可の業種は何かを挙げてみましょう。

なお、取得する許可によって必要な要件も異なることには、注意が必要です。

建設業許可取得の要件を確認する

取得したい許可が決まったら、次はその許可を取得することができるのか、要件を確認します。

建設業許可は、以下のような要件を全てクリアしなければなりません。

  1. 適正な経営体制
  2. 専任技術者
  3. 誠実性
  4. 財産的基礎等
  5. 欠格要件等に該当しない

ここからは、具体的にどのようなことが求められているのか、詳しく解説していきます。

なお、要件をクリアしていることを証明する方法は自治体によっても異なる場合があります。

申請先のHPで公開されている手引きも一度確認することをおすすめします。

 

当事務所は建設業許可に特化した事務所ですので、
建設業許可取得に関するお悩みは是非一度ご相談ください。

経営経験のある役員が必要

建設業許可を取得するためには、経営経験のある役員の方が会社にいることが求められます。

これが、「適正な経営体制」と呼ばれる要件です。

具体的には、以下の要件をどちらも満たす「常勤役員等」がいなければなりません。

  • 一定の経営経験をもつ役員が常勤していること
  • その役員が適切な健康保険等に加入していること

以上の要件をクリアする役員が常勤しているということで、適正な経営体制があると認められます。

資格や実務経験のある技術職員も必要

許可取得のためには、その会社の技術的な裏付けとして、専任技術者が常勤していることが必要です。

以下のいずれかによって許可を受けるに足る技術があると証明します。

  • 対応する資格を取得している
  • 工事に関する一定期間以上の実務経験がある
  • 資格を持っている+実務経験がある

対応する資格を持っていたり、一定期間以上実務経験がある技術職員が常勤しているということで、専任技術者の要件をクリアすることができます。

取得したい許可に対応する資格・実務経験の年数が要件をクリアしているか事前に確認しておきましょう。

役員等に誠実性が求められる

要件の一つとして、役員等に誠実性が求められます。

建設業許可の要件における誠実とは、以下のように説明されます。

誠実=請負契約に関して不正や不誠実な行為をするおそれが明らかな者ではない

役員等に法律に違反するといった不正な行為や、請負契約に違反するといった不誠実な行為がある場合、許可を受けることができません。

一定以上の財産的基礎が必要

請負契約を履行できるだけの財産的基礎があることも、要件の一つとなっています。

一般建設業許可では、以下のいずれかによって証明することができます。

  • 自己資本500万円以上
  • 500万円以上の資金調達能力

一方で、特定建設業許可ではさらに厳しい要件が求められます。建設業許可の種類によっても要件が異なる点に、注意が必要です。

欠格要件等に該当していては許可は取得できない

欠格要件として挙げられている事項に該当する場合、許可は取得できません。

例えば、不正手段で許可を受けた等の理由により許可を取り消されてから5年経たないといったようなものです。

申請先の行政庁がHP掲載している手引き等により、事前に確認しておく必要があります。

許可申請のための書類を収集・作成する

要件を確認したら、次は申請のために必要な書類を作成・収集します。

自分で作成が必要な書類と、公的機関が発行する書類等を集める必要があり、一般的にはこれを同時進行で行います。

どのような書類が必要になるか、詳細に見ていきましょう。

申請書類一式を作成する

建設業許可取得のためには、申請に関わる書類を作成する必要があります。

先にご説明した許可の種類や申請先によっても、求められる書類が異なる場合があるため、注意が必要です。

書類作成にあたっては、まず申請先HP等で手引きを熟読することからはじめなければなりません。

新規許可申請は特に作成すべき書類も多く、特に手間と労力のかかる申請となります。

証明書等の準備も必要

公的機関が発行する証明書も、申請内容の裏付けとして必要になります。

一例としては、以下のような書類が挙げられます。

証明書 発行する公的機関
履歴事項全部証明書 法務局
登記されていないことの証明書 法務局
身元(身分)証明書 各市区町村

取得する証明書によっては、取得に時間がかかる場合もあります。

あらかじめスケジュールを把握したうえで、早めに準備しておくようにしましょう。

また、自社で準備しておくべき書類も別にあります。例えば、会社の定款や確定申告書などです。

もしも専任技術者を実務経験で証明する場合は、その証明のために必要な請負契約書なども準備しなければなりません。

このように、申請する内容によっても必要な書類は異なり、それに伴って準備にかかる時間も変わってきます。

いずれにしても早いうちに準備をはじめることが必要なことには変わりありません。

建設業許可の申請には予め準備が必要な書類や作成しないといけない書類が数多くあります。

自分で準備するのが難しい場合は、専門家である行政書士に依頼することをおすすめします。

当事務所は建設業許可に特化した事務所です。 建設業許可申請についてのお悩みなどお気軽にお問い合わせください。

 

許可行政庁に申請をして審査をうける

申請書類が揃ったら、許可行政庁に申請をし、審査を受けます。

ここからは、申請から審査が完了するまでの流れについて解説していきます。

申請先・申請方法を再度確認する

申請書類をどこに提出するのかを確認し、提出することになります。

申請先の行政庁によっては、事前予約が必要な場合や、郵送申請が認められる・認められないなどといった違いがあります。

申請先窓口がどこになるのかも含めて、以上のような申請に関する細かい手続きについても確認しておきましょう。

申請の際は手数料も支払う

申請の際には手数料も支払うことになります。

新規許可の申請であれば、知事許可は9万円、大臣許可は15万円です。

申請書に収入印紙を貼付して支払う方法が一般的ですが、それ以外の方法をとっている場合もあります。

これも申請先により異なる可能性もありますので、一度申請先ではどのような方法で支払う必要があるのか、確認する必要があります。

審査には1ヶ月〜4ヶ月程度かかる

申請書が無事受付されても、そこからの審査に1ヶ月〜4ヶ月程度かかります。

知事許可であれば30日程度、大臣許可であれば90日〜120程度を要するのが一般的です。

これは、申請先によってHPで標準処理期間として公開している場合があるため、一度確認しておきましょう。

一つ気をつけたいのが、この審査にかかる期間はどうやっても短くすることはできない、という点です。この標準処理期間を含めて、許可取得までのスケジュール管理をすることが大切ということになります。

建設業許可通知書を受けて申請完了

受付、審査を経て、建設業許可通知書を受けることで晴れて許可を取得し、一連の申請はその一切を完了するということになります。

建設業許可通知書とは、許可番号等が記載されている書面です。自社が建設業許可を取得している証明として大切な書面ですが、再交付してもらうことはできません。

紛失することのないように、保管には注意しましょう。

建設業許可申請の流れまとめ

建設業許可申請の流れについて解説してきました。流れについてもう一度おさらいすると、以下のようになります。

  1. 取得する許可の種類を決める
  2. 建設業許可取得の要件を確認する
  3. 許可申請のための書類を作成・収集する
  4. 許可行政庁に申請をして審査をうける
  5. 建設業許可通知書を受けて申請完了

ここまで見てきたように、新規許可の申請は特に、揃える書類が多いことや綿密なスケジュール管理が必要になります。

よって、申請に関するノウハウが無いと申請は難しいと言えるでしょう。

建設業専門の行政書士であれば、自社にあった許可を選ぶところからアドバイスをしてもらえます。

「自社で申請をするべきかどうか迷っている……」という方でも、まずは一度専門家に相談してみることをおすすめします。

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