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建設業許可事務ガイドラインとは?改訂の内容を徹底解説!

建設業許可事務ガイドラインをご存知ですか?建設業許可に関係する申請・届出をする際には、おさえておきたい情報です。

今回は、この建設業許可事務ガイドラインについて解説していきます。また、直近で行われた改訂についても、詳しく見ていきましょう。

建設業許可事務ガイドラインとは?

建設業許可事務ガイドラインとはどういう文書なのでしょう。実は建設業を営む上では非常に重要な「指針」が示されているものです。

建設業許可事務ガイドラインは事務手続きのマニュアル

建設業許可事務ガイドラインは、その名前のとおり事務手続きのための手引きのようなものです。

建設業許可は、建設業法や建設業法施行規則といった法令に沿って許可・不許可が判断されます。それらの法令を事務手続きのマニュアルに落とし込んだものが、建設業許可事務ガイドラインです。

行政庁では、この建設業許可事務ガイドラインに沿って手続きを進めていきます。つまり、きちんと理解しておくことで、許可申請などの手続きもスムーズに進めることが可能です。

法律の改正などに伴って内容も改訂される

建設業許可事務ガイドラインは、法律の改正などに伴って内容も改訂されていきます。

先ほどご説明したように、建設業法や建設業法施行規則をマニュアルに落とし込んだものが、建設業許可事務ガイドラインです。当然、法令が変われば、事務ガイドラインもそれを受けて変わることになります。

全体として理解しておくことは大切ですが、同時にどこがどう変わったのかを知っておくことも重要になってきます。

改訂の際には特に注目し、常に最新の情報にアップデートしておきましょう。

 

当事務所は建設業許可に特化した事務所です。
法令や建設業許可事務ガイドラインの改正にも精通しています。
申請や届出をするにあたって不明な点があれば、まずはご相談ください!

 

建設業許可事務ガイドラインの改訂内容とは?

ここからは、建設業許可事務ガイドラインの改訂のなかでも、特に最近のものをピックアップして解説していきます。

今回解説する内容は、以下の3つです。

  • 経営業務の管理責任者に関する要件の変更
  • 事業譲渡などの際、許可を承継できる「認可」手続きの新設
  • テレワークでも常勤が認められるようになった

それぞれ順番に見ていきましょう。

経営業務の管理責任者に関する要件の変更

許可を受けるため必要になる経営業務の管理責任者に関する要件の変更がありました。

建設業法の変更点を簡単にまとめると、以下のようになります。

変更前
許可を受けようとする建設業で経営業務の管理責任者としての経験がある者の常勤が必要

  • 許可を受けようとする建設業の経験なら5年以上
  • それ以外の建設業(業種が違う場合)の経験なら6年以上
変更後
従来の要件を廃し、以下の要件に変更

  • 常勤役員等の体制が一定の条件を満たし、適切な経営能力を有すること
  • 適切な社会保険に加入していること

許可を受けるために必要な経営業務の管理責任者と認められる要件が、大きく変りました。

変更前と変更後について詳しく見ていきましょう。

従来は役員の経営経験として業種による区分があった

変更前に経営業務の管理責任者として認められるためには、許可を受けたい業種によって必要な経験年数が異なっていました。

例えば、管工事業の許可を受けたいとします。

もし管工事業を営む会社で経営経験があれば5年以上の実務経験で足ります。しかし、左官工事業を営む会社での経営経験しかなければ、従前の規定では6年以上の経験が必要でした。

このように、業種としての区分があったのが、変更前の経営経験の考え方です。

従来の要件が廃止されて新しい要件に

従来の要件が廃止され、以下のとおり新しい要件に変更になりました。

以下のイ)、ロ)、ハ)いずれかに該当
イ)常勤役員等のうち一人が次のいずれかに該当する者
  • 建設業に関し5年以上経営業務の管理責任者としての経験がある
  • 建設業に関し5年以上経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者として経営業務を管理した経験がある
  • 建設業に関し6年以上経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者として経営業務の管理責任者を補佐する業務に従事した経験がある
ロ)常勤役員等のうち一人が次のいずれかに該当する者
+財務管理、労務管理、業務運営の経験が5年以上ある者を常勤役員等を直接補佐する者として置くこと
  • 建設業に関し2年以上役員等としての経験があり、かつ、5年以上役員等又は役員等に次ぐ職制上の地位にある
  • 5年以上役員等としての経験を有し、かつ、建設業に関し2年以上役員等としての経験を有する
ハ)国土交通大臣がイ)、ロ)の者と同等以上の経営体制を有すると認定したもの
適切な健康保険、厚生年金、雇用保険に加入していること

適切な健康保険等への加入について、従来は建設業許可においても「推奨」されていましたが、1段階あがって要件化されました。

建設業の業種による区分がなくなったことや、適切な健康保険等の加入が要件となったことが、大きな変更点と言えるでしょう。

以上のような建設業法の改正に沿って、建設業許可事務ガイドラインでは、それぞれの場合で提出が必要な証明書類等について改訂がありました。

許可を承継できる認可手続きの新設

事業の譲渡、分割、合併や個人の相続の際、許可を承継するための認可手続きが新設されました。変更点は以下のとおりです。

変更前
会社の事業譲渡や分割・合併、個人での相続があった場合、引き継いだ先で新規に許可を取得する必要がある
変更後
行政庁から認可を受けることで、許可を引き継ぐことができる

これにより、許可を引き継ぐ際に生じてしまっていた許可の空白期間がなくなるなど、メリットもありました。

変更前と変更後について、詳しく見ていきましょう。

従来は事業譲渡等によって会社を引き継いでも許可は新規で取得していた

以前は事業譲渡等によって会社を引き継いでも、引き継いだ先で許可は新規取得する必要がありました。

例えば、個人事業主から法人成りする場合を考えてみます。

新設法人では許可を新規取得し、一方で、個人事業主として受けていた許可は廃業することになります。これらを同時進行で進めるため、新規で申請をし、審査後許可を受けるまでの約1ヶ月間は、無許可の期間が生じてしまいます。

許可を引き継ぐことができるようになった

認可手続きの新設によって、そのまま許可を引き継ぐことができるようになりました。

事前に行政庁の認可を受けるといったいくつかの条件はありますが、許可を引き継ぐことができます。

これによって、無許可期間が生じることもなくなりました。もちろん、許可を引き継ぐため、許可番号も同じものを継続して使うことになります。

こうした変更をうけて、建設業許可事務ガイドラインには、手続きの詳細について記載されるようになりました。

テレワークでも常勤が認められるようになった

常勤役員等や専任技術者、令3条使用人は、本店や営業所に常勤性の考え方にも、変更がありました。

変更前
常勤役員等、専任技術者、令3条使用人は本店や営業所に出社することで、常勤と認められる
変更後
テレワークでも常勤と認められる

テレワークで常勤が認められるためには、いくつか注意点もあります。詳しく見ていきましょう。

従来は出社しなければ常勤とは認められなかった

常勤役員等、専任技術者、令3条使用人は、本店や営業所への常勤が必要です。従来は、本店や営業所に出社しなければ、常勤とは認められませんでした。

改訂によりテレワークでも常勤と認められるようになった

常勤役員等、専任技術者、令3条使用人の常勤の要件が、改訂によってテレワークでもみとめられるようになった。

建設業許可事務ガイドラインでは、テレワークについて以下のように記載されています。

「営業所等勤務を要する場所以外の場所で、ICTの活用により、営業所等で職務に従事している場合と同等の職務を遂行でき、かつ、当該所定の時間中において常時連絡を取ることが可能な環境下においてその職務に従事することをいう」

以上のような環境が揃っていることで、常勤として認められるということになります。具体的には、以下のような環境が求められるようです。

  • メールの送受信・確認ができること
  • 契約書、設計図書等の書面が確認できること
  • 電話が常時つながること

一例としてはこれらが挙げられていますが、個別の場合については申請行政庁に確認しておく必要があります。

営業所専任技術者については注意点あり

テレワークで常勤とする場合でも、営業所専任技術者については注意が必要です。

住所やテレワークを行う場所と営業所の所在地が著しく離れていて、常識上通勤が不可能な場合は、常勤として認められません。

専任技術者は、緊急時等には対面で説明をしたり、現場の確認をしなければならない場合も想定されます。そのため、普段はテレワークであっても、営業所に通勤できる距離である必要があると考えられるようです。

建設業許可事務ガイドラインの改訂まとめ

建設業許可事務ガイドラインや、その改訂について解説してきました。

直近の改訂をまとめると、以下のようになります。

  • 経営業務の管理責任者に関する要件の変更
  • 事務承継の認可に関する手続きの新設
  • テレワークを常勤として認める

建設業法や建設業法施行規則の改正をうけ、建設業許可事務ガイドラインも改訂を続けています。

建設業専門の行政書士であれば、以上のような法令や建設業許可事務ガイドラインの改正にも精通しています。申請や届出をするにあたって不明な点があれば、まずは専門家に相談してみることをおすすめします。

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