建設業許可を新規で取得する場合、たくさんの書類を準備し、作成しなければなりません。予定外に時間がかかって事業に悪影響が出ないよう、事前に全体像を把握しておくことが大切です。
建設業許可の新規申請に必要な書類の全体像
建設業許可の申請書は、複数のパーツに分かれています。これらを組み合わせて一本の申請書を作成しますが、大まかに行政庁が作成した雛形に必要事項を入力して作成する「法定書類(様式第○号など)」と、登記簿謄本や納税証明書などの「添付書類(各種の証明書)」に分かれます。
法定書類(様式)
様式第1号から様式第20号の4まで、申請書の雛形が公開されているので、これに必要事項を入力することになります。全国共通なので、以下に国土交通省のHPリンクを記載しておきます。
建設産業・不動産業:許可申請の手続き – 国土交通省
添付書類(各種証明書等)
会社の基礎情報となる証明書類を各種添付することになります。市区役所等で発行される証明書や、年金事務所等から発行される通知書、各種の領収書等です。この記事で詳しく見ていきます。
建設業許可の新規申請に必要な書類には作成に時間がかかったり、取得するのが難しい書類がございます。
本業が忙しくなかなかご自身で用意するのは難しそうという場合は専門家への相談をおすすめします。
当事務所は建設業許可に特化した事務所です。
建設業許可の新規申請についてのお悩みなどお気軽にお問い合わせください。
建設業許可の法定書類
法定の書類一覧は以下のとおりです。申請する状況により一部提出不要な書類もあるため、自社の申請に合わせて必要なものを提出してください。
なお、申請書には原則的に押印が不要になりました。行政庁に提出する書類には押印廃止の流れがありますが、建設業許可の関係書類は基本的には全て押印不要です。
建設業許可の申請には予め準備が必要な書類や作成しないといけない書類が数多くあります。
自分で準備するのが難しい場合は、専門家である行政書士に依頼することをおすすめします。
当事務所は建設業許可に特化した事務所です。
建設業許可申請についてのお悩みなどお気軽にお問い合わせください。
建設業許可の添付書類(各種証明書等)
適切な経営体制の確認資料
経営業務の管理責任者等が役員として在籍していることを証明する書類を提出します。例示として過去5年以上、建設業者で取締役経験がある方を経営業務管理責任者にする場合は以下のような資料を提出します。
[許可業者での役員経験の場合]
- 役員を経験した期間の建設業許可証
- 役員を経験した期間の登記簿謄本(履歴事項全部証明書)
[無許可業者での役員経験の場合]
- 役員を経験した期間の工事注文書、請負契約書等
- 役員を経験した期間の登記簿謄本(履歴事項全部証明書)
専任技術者の確認資料
専任技術者は一定以上の資格、実務経験をお持ちの方ですが、専任技術者に該当する方が在籍していることを証明する書類を提出します。主に以下のようなものです。実際には該当するいずれかを提出することになります。
- 資格証明書
- 監理技術者資格者証
- 卒業証明書+実務経験証明書
- 指導監督的実務経験証明書
常勤性の確認資料
上記の「経営業務の管理責任者」と「専任技術者」は申請する会社に常勤である必要があります。常勤であること(常勤性)を証明する資料として以下のような書類を提出します(いずれか)。
- 健康保険・厚生年金被保険者標準報酬決定通知書コピー
- 健康保険・厚生年金被保険者資格取得確認及び報酬決定通知書コピー
- 住民税特別徴収義務者指定及び税額通知コピー
- 健康保険証コピー
- 確定申告書(個人事業の場合)
営業所の確認資料
営業所が実際に存在し、建設業の管理を行える体裁を整えているかを確認するための資料です。以下のような書類を提出します。
- 営業所の賃貸借契約書(賃貸の場合)
- 建物の登記事項証明書(自社所有の場合)
- 営業所の写真等
社会保険加入の確認資料
現在では健康保険、厚生年金、雇用保険等に適正なかたちで加入していることが建設業の許可要件となっています。これらを確認するため、以下のような資料を提出します。
- 健康保険・厚生年金保険料領収書コピー
- 労働保険保険料領収書コピー
- 健康保険・厚生年金被保険者標準報酬決定通知書コピー
その他の証明書、基礎資料等
- 会社の現行定款
- 都道府県事業税の納税証明書
- 履歴事項全部証明書
- 登記されていないことの証明書、身元証明書
(取締役、個人事業主、令3条の使用人全員分を取得)
まとめ
この記事では、建設業許可の新規申請に必要になる書類についてまとめました。ご覧いただいたように、建設業許可の新規申請には「法定書類」と「添付書類」という種類があり、それぞれ作成に時間がかかったり、取得が難しかったりする場合があります。
早めに書類作成、収集に着手して余裕をもってスケジュールを組んでいただくことをお勧めします。本業がお忙しくなかなか手がつけられない!という場合は行政書士事務所などの代行業者を検討してみるのも一つです!